輪切り・千切り・微塵切り (一元視・二元視・三元視)         ヤルデア研究所 伊東義高   

@ 見る・知る・分かる ・サルもヒトも見知らぬものに出遭ったなら、保身のために先ず警戒する。 ・次に様子を見ながら近づいて、恐る恐るそのものの正体を伺おうとする。 ・そのものに危険性がないようならば、手にとってしげしげと観察をする。 ・ウラ・オモテを見ても正体が分からなければ、割って中身を調べてみる。 ・文明人は持っているナイフ・包丁でそのものを切って調べてみるだろう。 ・タテに切って輪切り、横にも切って千切り、更に前後に切って微塵切り。 ・いろいろな切り口から見てみると、ものの内容・構造がよく見えてくる。 ・分ければ分けるほど、よく分かる…と古人も言った、デカルトも言った。 A 輪切り:タテの視角 ・ものをある見方・方向から切って細分化して、そのものの実態を調べる。 ・そのものを構成している要素を順位・部分・属性・特性等に拠って切る。 ・そのものが或る種類を形成している場合には、下位の種類に切り下げる。 ・そのものの特定要素のみについて、ある間隔で切り込んでいく法もある。 ・そのものの全部分・全要素の代わりに、代表例を列挙する切り口もある。 ・そのものの特異的な要素・エッセンスを選り抜き並べる箇条書きもある。 ・そのものの時間的推移・変化を主要事象の抽出・列挙で調べる法もある。 ・輪切り包丁を入れることで巨大なもの・漠然としたものでもよく分かる。        ・輪切り・一元的観察は情報の単純化・圧縮化であり、理解・記憶し易い。 ・その切り口はその料理人の選んだ方向であり、粗さであり、好みである。 ・輪切り料理を食べ易く感じ、容易に消化すれば労なく功を得たと言える。 ・そのものを自分で食べたというより、食べさせられたとも言えるだろう。 ・同じ素材でも別の料理人が輪切りにすれば、別な食感が得られただろう。 ・同じ方向の切り口でも粗さを変えたらどうなるか、残した部分はないか。 ・一覧表の便利さで満足するだけでなく、考える足場とすれば価値が増す。 ・世に氾濫するマニュアルやハウツー書は便利だが、溺れてはつまらない。 B 千切り:タテ・ヨコの視角 ・タテ切りの列を2列3列…と増やしていくと、幅がができ平面構造が出来る。 ・タテ切りだけの千切りと比べ、断面積が多いだけに対象の実態がよく見える。 ・タテとヨコの切り口をどう設計するかで、対象の実態の見え方が変ってくる。 ・タテ・ヨコ(行列)交差の桝目の内容が定性表示か定量表示かで変ってくる。 ・用途・目的で換算表・分析表・構成表・対応表・点検表や座標と変ってくる。 ・文章記述に比べて一覧性・関係性が強く表れ、理解・記憶し易い特性がある。 ・ 年度行×費目列=物価上昇率表、利率行×年月列=預金利子表 ・ 母音行×子音列=あいうえお表、 族 行×周期列=元素周期表 ・ 成分行×部位列=魚肉の栄養表、人数行×部署列=企業組織表 ・ 列車行×駅名列=方面別時刻表、意見行×問題列=世論調査表 ・ 身長行×体重列=身体の相関図、正邪行×巧拙列=仕事領域図 ……等 ・二次元の表やグラフは或る切り口からのエッセンスを効率的に表現できる。 ・新聞・テレビや企業の記録・報告など多方面に利用されている手法である。 ・輪切りと同様にタテ・ヨコの切り口をどう設計するかで意味が変ってくる。 ・表やグラフを見る時にその設計意図を察し、得れれる情報を検討してみる。 ・観察や思考をする時、それを二次元表・二次元座標で表す試みをしてみる。 ・それが陽に表す意味・内容と陰に表す意味・内容と表せないものを考える。 ・マトリックス各欄は或る通性を持ち、個々に特性を持っているはずである。 C 微塵切り・タテ・ヨコ・ナナメの視角 ・あるものの構造系統をX1Y1Z1…XnYnZnと観るのが3元視である。 ・3元的にものを観ることは日常経験では少ないので、直覚的には難しい。 ・動物の視角認識は本来平面的・二元的で、枝飛びする猿に立体視が発達。 ・視角を持った左眼像と右眼像を脳内ソフトで合成して立体像として認識。 ・脳がOn/Offの2進法2値的構造であるためか、3元同時認識は難しい。 ・本来平面視の脳は立体視が苦手で瞼に浮ぶ映像や夢の像は平面像である。 ・脳は立体図を理解することは出来るが、直覚的に感得することは不馴れ。 ・逆説的にいえば、立体図には平面図では気付かなかい盲点の発見がある。 ・発達的に二元的であるイメージ図・概念図を三元化することに意味がある。 ・2種類の切り口・視角を交差させた表・グラフに第3の視角を重複させる。 ・グラフの場合はXYZの3軸交差の立体座標となるが描き難くて、見難い。 ・立方体の手前3面を表にするものは3元表ではなく、3組の2元表である。 ・各元がn個の欄数をもつ3元表は3n 個の三角形からなる大きな群となる。 ・2元マトリックスのうち一方をXとYの積か商とすれば実質3元表となる。 ・2元マトリックスの表の上に値を持つ色で領域図を描いても3元表となる。

トップへ戻る





100MB無料ホームページ可愛いサーバロリポップClick Here!